品質マネジメントに関する考え方
当社グループの品質に関する理念は、経営理念「商品は品質を第一とし、顧客の信頼に応える。」に立脚し、グループ行動指針、倫理行動基準等で具体化し、組織に展開されています。
基本理念の実現のために、各カンパニーが品質方針を打ち出し、ISO9001やJISQ9100といった認証を積極的に取得・更新し、品質管理体制の継続的改善を行っています。
ISO9001の認証取得状況・その他認証取得状況
品質マネジメント推進体制
本社のコーポレート・スタッフ部門に、品質に関する全社横断的な課題に対応する「品質統括室」を設置しています。
この品質統括室においては、当社グループの製品の品質を一定以上に保つよう組織横断的に品質の管理監督を行い、品質に係るリスクの発現を未然に防止する活動を行っています。具体的には、当社製品の品質に係る全社的なルールである「技術・生産規程」の維持・管理と検査品質監査を各カンパニーおよび子会社に対して行うことで、各カンパニー・子会社の品質保証部による自主的な品質マネジメント活動を補完しています。
個々のカンパニーにおいては、営業部、技術部、生産部とは独立する形で品質保証部を設置し、「契約→設計・開発→購買・生産・検査→サービス」の各プロセスで指示・指導を実施しています。なお、事業特性の異なる各カンパニーにおいて、「技術・生産規程」に反しない範囲であれば、独自に業務ルールを策定できるよう、カンパニー規程の枠組みを定めています。
2階層品質マネジメントの模式図
品質部会は、社内における横断的な品質問題の情報共有および解決の場として設けられた、各カンパニー・子会社の品質責任者を部会員とする品質担当役員所掌の会議体です。品質統括室の主催によって年4回開催され、品質に関する全社的な問題や将来的な課題を抽出し、解決に向けての施策立案等を実施しています。各カンパニー・子会社において、品質上の懸念が生じた場合、品質部会において品質担当役員への報告が行われます。品質担当役員が必要と認めた場合、是正の指示を行うとともに、経営会議等、必要なレベルへの情報エスカレーションが行われます。
品質マネジメントに関する具体的な取り組み
品質統括室が各カンパニー・子会社に対して行う検査品質監査は、監査としての実効性を確保したうえで、各カンパニー・子会社の品質管理の力量が向上するよう、年度ごとに監査方法や対象範囲の見直しを実施しています。
品質部会では、さらなる製品品質の向上を図るために、これまで各カンパニー・子会社が個別に蓄積していた不具合事例や周辺知識をグループ横断的に共有するための「不具合データベース」の構築を進めています。2022年度は、試験分析チーム(技術生産サービス室所属)が管理する過去10年分の分析結果報告書をデータベース化しました。今後も順次追加していきます。
品質マネジメントシステム(QMS)の維持・強化の一つに品質内部監査がありますが、内部監査員教育を実施し、主任監査員や監査員としての力量の維持・向上を図っています。さらに、各カンパニーで品質に関する会議(QC会議、品質委員会など)を開催し、不具合報告や対策などの共有を行っています。
【那須工場の電子システムカンパニーおよび通信制御システムカンパニー】
階層別教育として入社時および昇格時に品質保証やQMSの教育を実施しています。日頃の啓蒙活動としては、ヒューマンエラー報告会を実施し、不具合予防対策を行っています。また、「品質月間」を設け、従業員から品質標語を募集し、優秀作品の工場内への掲示や品質保証部所属員のメール発信時の署名欄へ品質標語を付加するなど、普段からの品質意識の維持・強化を図っています。
【油圧制御システムカンパニー】
品質管理の範囲を油空圧機器セグメント全体に広げ、子会社の東京計器パワーシステム株式会社(TPS)、TOKYO KEIKI PRECISION TECHNOLOGY CO., LTD. (TPT)、および韓国にある関連会社のTOKIMEC KOREA POWER CONTROL CO., LTD.(TKP)と連携して品質会議を開催し、情報を共有することで品質管理向上に取り組んでいます。
また、検査内容を顧客と個別に取り決める特別管理製品については、個別のQMSを規定し、職業倫理教育、検査員教育と任命・登録、関連部署への抜打ち監査を実施する等、検査品質体制を強化しています。
【舶用機器システムカンパニー】
品質管理手法の習得や品質に対する意識の向上を目的として、所属員にはQC検定の取得を奨励し、検定取得に向けた研修会を開催しています。なお、対象は矢板工場内の舶用機器システムカンパニー、油圧制御システムカンパニー電子機器部、検査機器システムカンパニー生産部、および東京計器テクノポート株式会社とし、矢板工場全体として啓蒙を図っています。