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経営による財務・経営成績の分析

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2025年度(2026年3月期)実績と2026年度(2027年3月期)予想

代表取締役 社長執行役員

 ステークホルダーの皆様方に於かれましては、益々ご清祥のことと拝察申し上げます。

 当社グループの2025年度(2026年3月期)における業績につきましては、主に防衛・通信機器事業において防衛予算の増加を背景に航空機搭載機器や艦艇搭載機器等の販売が好調であったこと、また、船舶港湾機器事業をはじめとして他の事業においても全て増収であったことから、売上高は前期比6.1%増収の611億8,600万円となりました。利益につきましては、営業利益は前期比10.4%増益の53億6,200万円、経常利益は前期比9.8%増益の54億9,200万円となりともに前期に続き過去最高益を更新し、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比5.5%増益の40億500万円となりました。

 当社グループは、2021年6月に開示した「東京計器ビジョン2030」の実現に向け、2024年度から3年間を成長に向けた飛躍の期間として位置付けました。2024年度からの新たな中期経営計画では、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るステージへと転換していくために、利益の拡大を重視した基本方針として「収益力の向上」を最優先に掲げ、「事業領域の拡大」と「経営基盤の強化」に取り組んでまいりました。
 2025年度(2026年3月期)からの主な取り組みは以下の通りとなります。
 「収益力の向上」につきましては、事業単位の「稼ぐ力」を把握し、各事業の資本収益性と成長性を分析したうえで、事業に対する経営戦略を継続的に検討してきております。
 「事業領域の拡大」につきましては、防衛・通信機器事業において、防衛装備庁との研究請負契約に基づき「MEMS-半球共振ジャイロスコープ/慣性航法技術」の研究開発を推進している他、防衛市場向けドップラー・ライダーの開発・量産化を目指し、メトロウェザー株式会社への出資および業務提携を行いました。加えて画像鮮明化技術とAIカメラ技術を融合した製品開発を目指し、株式会社ロジック・アンド・デザインへ出資を行いました。また、油空圧機器事業においては、製品である動的再構成プロセッサ(DAPDNA)を利用して、画像検査に用いるエッジAIシステムの研究開発を進めております。更に、その他事業の鉄道事業においては、保線業務の効率化および生産性向上に貢献できる、「慣性式軌道検測装置」の販売を開始しました。
 「経営基盤の強化」につきましては、全社基幹システム更新を含めたDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、AIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善するだけでなく、製品やサービスのイノベーションによりビジネスモデルそのものを変革し、競争上の優位性を確立すべく引き続き取り組んでおります。また、売上高の増加に伴う人員の増強と教育の充実を図り、人的資本を強化しております。更に、本社移転により、持続的な企業価値向上を目指し継続的な事業拡大に対応するための環境整備を行うとともに、従業員にとって快適な職場環境を構築し、コミュニケーションの活性化とエンゲージメントの強化を図ってまいります。

中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

 2021年6月10日に開示した「東京計器ビジョン2030」では、当社が創業から125周年という節目にあたりこれからの150周年、200周年に向かって持続的な成長を続けるため、当社グループが2030年にありたい姿を纏めました。そして、2030年の目指す経営指標として、連結売上高1,000億円以上、連結営業利益率10%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上の目標を設定しました。
 当ビジョンの下、これまで積み重ねた独創技術の有効活用によるイノベーションによって、SDGs(持続可能な開発目標)を切り口とした「グローバルニッチトップ事業」を創出して、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るステージへと転換してまいります。
 今後、収益化した成長ドライバーと既存事業の拡大から得られた利益を再投資に回す成長サイクルを構築しながら、新たな成長ドライバーの発掘・育成によって事業規模を拡大してまいります。
 2024年度(2025年3月期)からの3ヶ年中期経営計画では、売上の拡大にとどまらず、収益力の向上に重点を置いた指針としました。そして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現し、ステークホルダーの要請と期待に応えていくため、以下3つの基本方針を定めております。

1. 収益力の向上
 2030年度(2031年3月期)に連結営業利益率10%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上を目標にしていますが、企業活動の継続のためはもちろん、利益率を2030年度(2031年3月期)の目標達成に近づけるため、収益力の向上に重点を置いた事業戦略を推進してまいります。

2. 事業領域の拡大
 当社グループは、これまで培ってきた有形・無形の様々な経験と強みを生かしながら、社会課題の解決に貢献する特定市場向けの新製品、新事業を創出しトップに育てる“ニッチトップ戦略”を以って、事業領域の持続的な拡大に挑戦してまいります。また、新製品・新事業については、技術・製品サイクルが早まっている中、競争環境の激化、研究開発費の高騰等に対応するため、グローバルな視点を持ちながら、適宜、M&Aやオープン&クローズ戦略も活用してまいります。

3. 経営基盤の強化
 「収益力の向上」と「事業領域の拡大」を目指し、「東京計器ビジョン2030」の経営指標を達成するためにも、当社グループ全体で人的資本の強化、ガバナンスの強化、資本効率の改善、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、開発投資の実行を推進して、経営基盤の強化を図ってまいります。

2026年度(2027年3月期)の見通し

 2026年度(2027年3月期)につきましては、原油・原材料価格の高騰等に端を発した物価上昇と通商政策等の米国の政策動向による影響や、それに伴う金融資本市場の変動への懸念が残る中で、中東紛争の激化やウクライナ情勢の長期化等に見られる地政学リスクの一層の高まりや、中国のレアアース輸出管理の強化等、不確実な状況が継続すると見込まれます。
 このような経営環境の中、2026年度(2027年3月期)の見通しにつきましては、人件費や本社移転に伴う減価償却費の増加が見込まれるものの、防衛・通信機器事業をはじめとして売上高の増加が見込まれることから、売上高は11.6%増収の683億円、営業利益は19.4%増益の64億円、経常利益は18.5%増益の65億1,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は24.8%増益の50億円と、全体として5期連続の増収、4期連続の増益を予想しております。
 なお、中東紛争の激化による影響については、状況が極めて流動的であることから、現時点では業績見通しに織り込んでおりません。

利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当

 当社は、「東京計器ビジョン2030」の実現による企業価値向上に向け、成長投資を最優先としつつ、財務基盤とのバランスを考慮しながら、最適資本構成を意識した最適な株主還元施策を実施することを基本方針としています。その上で、毎期の配当につきましては、過去の配当実績も勘案し、安定的かつ継続的な株主還元に努めてまいります。
 2025年度(2026年3月期)の配当につきましては、1株当たり普通配当40円を予定しています。
 当社は安定的な累進配当を目指しており、2026年度(2027年3月期)の配当につきましては、3期連続で過去最高の営業利益・経常利益を更新する見込みであることから、1株当たり普通配当を8円増配し48円を実施する予定です。

 ステークホルダーの皆様方に於かれましては、引き続き、より一層のご支援とご指導を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。



2026年5月11日