世界中の船に、最適な道を。
PR-9000は、航海計器の開発に永年の経験と実績を持つ東京計器が、その経験と実績から獲得したノウハウと最新技術を集結させた最新のオートパイロットです。レピータユニットにカラー液晶を採用し、各種ガイダンス表示機能を充実しました。
特長
- 情報発信力の向上
各システムに独立したカラー液晶を搭載し情報発信力を向上しました。
操舵に必要な情報は「色分け」や「図」により表示され、より判り易く操船者に提供されます。
(アラートの表現力向上、回避操作インフォメーション機能、システム状態表示等)
- 安全性・信頼性の向上
各システム内で独立した2系統を構築し、さらに各システムとは独立した監視部を搭載することで常にシステムの相互監視を行っています。
システムの独立性の向上、機器の作動監視を強化する機能を搭載し、安全性・信頼性を向上させました。
- 省エネ操船に貢献
新アダプティブ制御(NCT)*1を搭載し最適な操舵を実現しました。波浪などの影響による無駄舵を抑制し省エネルギー操船に貢献します。
また航路制御機能(ACE)*2を搭載することにより、オートパイロット単体での航路制御が可能となりました。
ECDISと接続する計画航路に従った制御(TCS)も可能です。
航路離脱を抑えることにより、さらなる安全航海への寄与、省エネルギーへ貢献します。
- 柔軟なシステム構成
標準でコンソール組込みタイプをラインナップしましたので、さまざまなブリッジレイアウトに対応可能です。
リモートコントロールやオーバーライド操作部の接続数を最大8個まで拡張しました。
*1:Notable Control Technology(オプション)
*2:Advanced Control for Ecology(オプション)
トラックコントロールシステム(TCS)
TCSは、ジャイロコンパス(船首方位検出器)と操舵装置とを組み合わせて船舶の針路を一定に保持するヘディングコントロールシステム (HCS)に加え、自船の位置を検出するGPS、航路設定に必要となるECDIS (電子海図情報表示装置)等との統合によって非常に高度な航行制御が行えるという特長を持っています。また、海流や風などの影響による船舶のドリフトを補正して最適な航路を保持するので、無駄な燃料を抑制し、より安全な航海にも大きく寄与します。
新アダプティブオートパイロット (NCT:Notable Control Technology)
オートパイロットは、船の船首方位(ヘディング)を航海士が設定した方位に向くように変針させる、変針後はその設定方位を保針させるという2つの重要な機能を持っています。これらを実現する舵はオートパイロットが自動的に計算し舵取機を駆動しています。しかし、操縦運動特性は船舶毎に異なる上、同一の船舶でも運航条件(積荷量、船速)によって大きく変化します。また、気象・海象(波浪、風浪)によっても大きな影響を受けます。これらの変化を積極的に把握し、自動的に適応した最適な操舵を行うのがアダプティブパイロットで、PIDパイロットのような手動調整部が有りません。
新アダプティブオートパイロットでは、手動操舵中だけでなく自動変針中においても操縦運動特性を把握できるようにし、その特性精度も格段に向上し、さまざまな種類の船舶に対応することができます。変針制御においては、操縦運動特性と舵取機特性を考慮した理想的な軌道計画を持ち、船首方位をこの軌道どおりに追従させることができます。また、波浪の影響や船の揺れの影響を積極的に除去するアルゴリズムを開発し、航海中の長時間に渡る保針制御において無駄舵のない優れた自動操舵を実現することができます。無駄舵による船速低下を防ぐことで、省エネ運航に寄与します。
(注)従来の呼称である「オートパイロット」は、SOLAS条約上の装備機器としては「ヘディング・コントロール・システム-HCS(Heading Control System)」と呼ばれます。
航路制御機能 (ACE:Advanced Control for Ecology)
PR-9000では電子海図情報表示装置(ECDIS)と接続することなく、直進時の航路制御が可能となりました。
オートパイロット(HCS)では、船の船首方位が設定針路に追従するように制御しますので、目的地に到着するまでに、潮流や風浪の影響により船は流されてしまい、航行距離が増加することがありました。
その際、流された船を元の目的地に向けるために、細かな変針を行います。
新しい航路制御機能(ACE)では、現地点から目的地までの方位さえ合わせれば、目的地に向かう航路を自動的に作成し、外乱(潮流)の推定や航路離脱距離を計算して、最適に舵を制御し、航路上を運行することが可能となります。
オートパイロットに比べ、「航路離脱の低減」、「航行距離の短縮」、「無駄舵の削減」をすることにより安全、省エネルギー航行に貢献します。
ACE画面