高分解能レーダー装置
何のための製品なのか
東京計器の陸上に設置される高分解能レーダー装置は、海上の船舶などからの反射を捉え、その位置や動きを読み取り、海上交通センターの「眼」として、船舶の安全な航行を支援する装置です。
どんな時に役立つのか
船舶の安全かつ効率的な航行を支援するためには、海上の様々な船舶の正確な位置情報が不可欠です。高分解能レーダー装置は、これらの情報を高精度に取得します。
港に入る船舶には、水先案内人が乗船することが義務付けられています。欧州のある港では、この乗船場所である錨地が沖合40kmの遠方に位置しており、濃霧の中でも水先案内人が乗船しなければなりません。欧州の海上交通センターは、濃霧でも安全に水先案内人が船舶まで移動できるよう、遠隔の航行支援業務を実施したいと考えていました。しかし、欧州で流通しているレーダーでは彼らが求める性能を実現できませんでした。そこで東京計器は欧州のメーカーと共同で、求められた性能を実現するために高分解能レーダー装置の性能をさらに向上させたモデルを開発し、お客様に満足いただける性能を達成しました。
最新技術の紹介
東京計器は最新の技術を駆使し、猛烈な台風でも壊れずアンテナを回転させ続ける、耐風速型回転機構部を開発しました。レーダー装置は従来の設計値よりも強い風速でも24時間365日稼働し、海上交通センターの業務を支えています。
耐風速型回転機構部に採用したモーターは、ダイレクトドライブという方式です。これは、従来の間接的な機構を排除し、直接回転力を伝達する方式であり、メンテナンスフリーで回転速度の安定化が実現できます。この技術は、洗濯機や産業機械の駆動部としても採用されており、日本初のレーダーの回転機構部として製品化されました。