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レール探傷車が海外の鉄道を走る

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国産小型SAR衛星のキーデバイス。東京計器のマイクロ波パワーアンプが宇宙に羽ばたく!

レール探傷車が海外の鉄道を走る

東京計器のレール探傷車

東京計器レールテクノ(以下TRT)は2018年11月、同社初となるレール探傷車の海外への納入を行いました。レール探傷車とは、レール内部に発生した傷を検出したり、レールの摩耗状態などを走行しながら自動計測する保線車両です。人手による検査に比べて飛躍的に作業が効率化され、短時間で広範囲の検査が可能となることから、JR各社をはじめ民営鉄道各社に数多く採用されています。そして2018年、ついに国内唯一のレール探傷車メーカーとして圧倒的なシェアを誇るTRTが満を持して海外に進出しました。

お国柄に合わせ、道路走行を可能に

お国柄に合わせ、道路走行を可能に

海外向けレール探傷車の開発にあたり、まずは販売先のお国柄に合わせた仕様設定からスタートしました。最初に決まったのは「軌陸車」という方式です。これは、道路においては通常のトラックと同様にタイヤで走行し、踏切などから線路に入った後は鉄輪に切り替えてレール上を走行する車両のことです。販売先の交通事情を加味し、目的地までの移動は鉄道ではなく、道路を走っていく方が合理的という理由から採用されました。また、この探傷車は在来線とレールで繋がっていない空港線でも使用するため、これらの路線を往来するためにも道路を走行できることは大きなメリットになります。

検査機能・デザイン共に最新のものに

検査機能・デザイン共に最新のものに

レールの検査機能については、超音波探傷、断面摩耗測定、波状摩耗測定、レール遊間量測定、列車動揺測定(注)などを装備したフルスペックとなっています。そして印象的な外観のデザインですが、これは大学に依頼してデザイン学科の方がデッサンしたもので、未来的なロボットをイメージしています。海外ではデザインも性能の一つであり、競争力を高めるという観点から、従来にない手法を採ったそうです。

(注)■超音波探傷:探触子からレール内部に超音波を入射し、その反射を捉えることで傷を検出するという非破壊検査手法の1つ。■断面摩耗:レール頭部に発生する摩耗。■波状摩耗:レール頭頂面に発生する周期的な凹凸状の摩耗。■レール遊間量:レールの繋ぎ目の隙間量。■列車動揺:加速度センサを利用して測定する車体の揺れの状態。

レール探傷車の海外販売に向け前進

レール探傷車の海外販売に向け前進

2018年12月、レール探傷車の運用にあたり、TRTでは技術スタッフを現地に派遣し、現地の保線担当者の方々に講習を行いました。今まで目にしたことのない各装置の使い方を覚え、短期間で技能を身につけなければいけないため、トレーニングに臨む姿は真剣そのもの。そしてレール探傷車の試験走行を終え、2019年3月から本格的な運用に入りました。TRTでは引き続き技術的なサポートとサービス活動を展開しながら、2両目の受注を目指して営業活動を進めていきます。また今回の導入を契機にインドの高速鉄道向けレール探傷車の導入に向けて準備を進めており、海外展開により力を入れていきます。