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ゲリラ豪雨から地域を守れ

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ゲリラ豪雨から地域を守れ 溢水対策用レベル計RPL-10

ゲリラ豪雨から地域を守れ
溢水対策用レベル計RPL-10

梅雨や台風の時期を中心に集中豪雨による被害が発生しています。
こうした気候変動に加え、都市部ではヒートアイランド現象やビルの高層化による上昇気流の発生などの影響もあって「ゲリラ豪雨」が発生しやすい環境条件となっています。
都市部では、ひとたびゲリラ豪雨が発生すれば下水道で排水しきれなくなった大量の雨水が地上に溢れ出します。地下街や地下鉄などに大量に流れ込めばその被害はさらに大きなものになってしまうことでしょう。

水害に向けた安全対策

水害に向けた安全対策

こうした状況を受けて2015年、洪水からの逃げ遅れゼロと社会経済被害の最小化を目的に「水防法等の一部を改正する法律」が施行されました。
これによって地方自治体は、内水氾濫による被害が生じる恐れのある下水道に対し内水氾濫危険水位を定めることとされ、ビルや地下街等の地下空間の利用者が地上までの避難時間を確保できるよう、水位計等による観測データの収集体制を構築する必要があります。

水位計が水没する

水位計が水没する

河川の水位計測には東京計器の電波レベル計が活躍しており、下水道マンホール内の水位監視においては平面アンテナ式の電波レベル計MRF-10が数多く採用されています。しかし、電波レベル計の原理は本体から発射された電波が水面から反射して戻ってくるまでの時間によって水位を求める方式のため、本体が水没すると計測不能に陥ります。一方、こうした局面で有利なのが圧力式水位計です。これはセンサを下水管の底に設置して水圧によって水位を計測するものです。

電波式と圧力式をハイブリッドした水位計

電波式と圧力式をハイブリッドした水位計

「溢水(いすい)対策用レベル計RPL-10」は、こうした電波レベル計と圧力式レベル計の弱点を補うと共にそのメリットを最大限に活かした他に例をみないユニークな水位計です。
電波レベル計MRF- 10をベースに、協業する長野計器株式会社の圧力センサを組み合わせました。その仕組みは、通常の水位計測を電波レベル計で行い、電波レベル計の計測範囲を超える水位に達すると圧力センサでの計測に切り換わるというものです。下水管の底部からマンホールの蓋に至る水位計測を実現しました。これによって氾濫危険情報の配信や避難指示、避難勧告を発令する際の意思決定にも役立ちます。また、豪雨発生時の水位変化をデータベース化することによってより効果的な水害対策の立案にも貢献が期待できます。
激化と頻発化が懸念される集中豪雨への対策は社会の安全・安心を守るためにも重要な課題です。こうしたニーズにお応えするために開発された溢水対策用レベル計の活躍に期待されます。

本コラムは、東京計器レポート Viewsの記事を抜粋、再編集しています。
広報誌全体はこちらからご覧ください。(PDF形式:3.8MB)